翻訳家レミのここがびっくり世界文学
「パンとサーカス」の繰り返し

 パリのどこのビストロの前を通っても、最近は与党の愚痴より懸命な声援が聞こえてくる。とはいえこの不景気で政権が急に人気は得られないはず。実際に店内を覗くと、早い時間から大勢の人が大画面の前に集まり、酒を飲みながらそれぞれの国のサッカー選手たちを応援しているのだ。

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とびこめ!ミュゼのとびら
『ぶらんこの絶好のチャンス』

フラゴナール  今回ご紹介するのは、「ぶらんこの絶好のチャンス」。この絵が描かれた18世紀フランスでは甘美で曲線的なロココ様式が流行しました。ロココと言えば、マリーアントワネット、ポンパドール夫人のイメージ? そう、ロコ […]

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トモクンのあれこれパリコレなんだこれ〜
Bijo;のコンセプトストア「Biën;」パリ6区オデオンにオープン

 長くファッションと美容に関わってきた須山佳子さんがプロデュースするプロジェクト“Bijo;”が、パリ中心6区のオデオンにコンセプトストア「Biën;」をオープンさせました。プロジェクト名のBijoは、Beauty(美しい)、Innovative(革新的な)、Japanese(日本の)、Original(独自の)それぞれの頭文字を取り、日本の美をフランス、ヨーロッパの人々に伝えていくコンセプト。

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感情を揺さぶる!大人のフランス映画道場
 【今月のフレーズ】Oubliez un instant la guerre et imaginez- vous ici dans cinq ans sur ce balcon.

 今年は僕のフランスの実家でも、ノエルの電飾は無し。戦争の影響で電気代がものすごく高騰しているからだ。今回紹介するのは戦争映画。敵も味方も、そこにあるのは人間の心なのだと思わせてくれる感動作なので、戦争映画が苦手な方もぜひ見てほしいです。

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トモクンのあれこれパリコレなんだこれ〜
屋外でのショーがトレンドに 寒さに震えた2023年春夏パリコレクション

 コロナ新規感染者が日々5万人から10万人、という数字を叩き出しているフランス。でも、フランス人はディスタンスも飛沫も全く気にせず、それは欧米全体でトレンドとなり、パリコレでもマスクをしているのは僕くらい。

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感情を揺さぶる!大人のフランス映画道場
【今月のフレーズ】Je tʼaime quand tu parles, Je tʼaime quand tu te tais, quand tu pleures, quand tu ris Je tʼaimais hier et je tʼaime aujourdʼhui.

話しても黙ってても、泣いても笑っても昨日も今日も愛している。

「Les neiges du Kilimandjaro」「キリマンジャロの雪」より

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とびこめ!ミュゼのとびら
『ベリー公のいとも豪華なる時禱書』

 今回は「世界で一番美しい本」と言われ、当時最高の技術と材料を使って制作された贅沢な時禱書を紹介しましょう。希少なラピスラズリやコチニールなどを使って羊皮紙に描かれた絵画と挿絵が収められている時禱書ですが、これはローマカトリック教会のキリスト教徒のための祈りの本で、聖務を表した日課書です。

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トモクンのあれこれパリコレなんだこれ〜
エリザベス女王も来訪 1730年創業の老舗菓子店ストレー

 歴史的に、イギリスとの仲は微妙な感じのフランス。最近では欧州連合からイギリスが離脱し、ますます溝ができた感があります。でも、故エリザベス女王はフランス語を流ちょうに話し、生前何度も来仏していたため、仏国民からも親しまれ […]

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とびこめ!ミュゼのとびら
『貴婦人と一角獣』より『我が唯一の望み』

伝ジャンディーブル  6点の連作であるこのタピスリー(織物)「貴婦人と一角獣」は、15世紀――中世とルネッサンスの間に制作され、「クリュニーのモナリザ」と呼ばれているそうです。今回紹介するのはその中のひとつ「Mon Se […]

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翻訳家レミのここがびっくり世界文学
偉大なる監督の断末魔 勝手に死にやがって

 20世紀を迎えるほぼ5年前にオペラ座近くの地下のカフェでとんでもないことが起こった。店の常連が注文ミスにキレたわけでもなくネズミ狩りで厨房がカオスに化したわけでもない。リュミエール兄弟が自らで撮った映像を有料公開したこ […]

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感情を揺さぶる!大人のフランス映画道場
【今月のセリフ】 À quoi sert de vivre libre, quand on vit sans amour.

「自由に生きても虚しいだけ。愛がなければ」 日本でも舞台化され話題になった作品。カトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、豪華なフランスの女優が競演。それぞれのキャラクターが自分の人生について歌い踊るミュージカル的な要素も(大女優が […]

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翻訳家レミのここがびっくり世界文学
英パスポートに仏語が書かれているワケ

 数年前にイギリスが欧州連合から離脱し、ヨーロッパの「中」でありながらも「外」の立場に戻った。ユーロ圏に加入しなかった時点で、絶対美味しいところばかり持っていかれると心配した人は多かったが、揚げられた魚と芋が代表的な料理 […]

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